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🎓 レベル:基礎 | 重要度:A(必須)

📎 前提:なし(最適化の出発点) | 関連:最適化問題の分類

要点(BLUF)

概念 ── 4つの構成要素

最適化問題とは、選べる選択肢の中から「いちばん良いもの」を選ぶ数学。良し悪しを測る物差し(目的関数)と、選べる範囲のルール(制約)があれば、それは最適化問題になる。

要素記号意味
決定変数x=(x1,,xn)x = (x_1, \dots, x_n)こちらが自由に決められる量
目的関数f(x)f(x)最小化(または最大化)したい値
制約gi(x)0, hj(x)=0g_i(x) \le 0,\ h_j(x) = 0守らなければならない条件
実行可能領域F\mathcal{F}全制約を満たす xx の集合

数式による定式化

標準形(最小化)はこう書く:

minxRn f(x)subject to{gi(x)0,i=1,,mhj(x)=0,j=1,,p\min_{x \in \mathbb{R}^n} \ f(x) \quad \text{subject to} \quad \begin{cases} g_i(x) \le 0, & i = 1,\dots,m \\ h_j(x) = 0, & j = 1,\dots,p \end{cases}

実行可能領域は制約を満たす点の集合:

F={xRngi(x)0, hj(x)=0}\mathcal{F} = \{\, x \in \mathbb{R}^n \mid g_i(x) \le 0,\ h_j(x) = 0 \,\}

要するに:実行可能領域 F\mathcal{F} という「選んでよい点の集合」の上で、ff を最も低くする点を探す、というだけの話。

最適値と最適解は別物

最適解が存在しない例もある:F\mathcal{F} が空(制約が矛盾=実行不能)、または ff が下に有界でない(min\min-\infty非有界)。ワイエルシュトラスの定理は「ff が連続かつ F\mathcal{F} が空でない有界閉集合(コンパクト)なら最小解が存在する」と保証する。

具体例 ── 箱の容積

「厚紙の四隅を一辺 xx の正方形に切って折り、ふたなしの箱を作る。容積を最大にする xx は?」厚紙が a×aa \times a なら容積は V(x)=x(a2x)2V(x) = x(a - 2x)^2、制約は 0xa/20 \le x \le a/2。これは

max0xa/2 x(a2x)2\max_{0 \le x \le a/2} \ x(a-2x)^2

という1変数の制約付き最適化。決定変数 xx、目的関数 V(x)V(x)、実行可能領域 [0,a/2][0, a/2] がすべて揃っている。

最大化と最小化の変換

最大化問題は符号を反転すれば最小化問題になる:

maxxFf(x)=minxF(f(x))\max_{x \in \mathcal{F}} f(x) = -\min_{x \in \mathcal{F}} \bigl(-f(x)\bigr)

最適解 xx^\star は両者で共通、最適値だけ符号が反転する。だから教科書は最小化で理論を組み、必要なら符号を返すだけでよい。同様に制約 g(x)0g(x) \ge 0g(x)0-g(x) \le 0 と書き直せるので、不等式の向きも 0\le 0 に統一できる。

数式の直観的意味

なぜ「不等式 0\le 0 と等式 =0= 0」の2種類に統一するのか。等式は領域の 境界(次元を1つ落とす超曲面) を、不等式は領域の 片側(半空間的な広がり) を表す。あらゆる現実の条件(予算以内・需要を満たす・在庫は非負)はこの2種類の組み合わせで書ける。この統一形があるから、後の章の最適性条件(最適性条件の地図)やラグランジュ乗数(等式制約とラグランジュ乗数)が、問題の中身によらず同じ枠組みで語れる。

⚠️ よくある誤解・落とし穴

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