🎓 第3章:指数平滑と分解
第3章 指数平滑と分解
ARIMA(第2章 ARIMA系モデル 目次)が自己相関を差分と AR/MA で表したのに対し、本章は過去を指数的に重み付けして水準・トレンド・季節を逐次更新する指数平滑系の予測と、分解・季節調整の道具を扱います。単純指数平滑 SES から Holt・Holt-Winters へ部品を足し、それを状態空間モデルとして定式化したのが ETS——ここで初めて指数平滑系でも予測区間が出せます(→ 一般の状態空間とカルマンは第4章)。最後に Loess による頑健な分解 STL を、古典的分解(時系列データと分解)と対比します。すべて真の構造を仕込んだ擬似系列で復元・予測・評価します。
トピック一覧
- 指数平滑法(SES・Holt・Holt-Winters) — 標準
- ETSモデルと状態空間表現 — 標準
- STL分解 — 標準
この章の要点
- 指数平滑(SES/Holt/Holt-Winters): を核に、水準→トレンド→季節(加法/乗法)と部品を追加。 は滑らかさと追従の速さのトレードオフ。古典指数平滑の
.forecast()は点予測のみ。 - ETS(Error/Trend/Seasonal):指数平滑を単一誤差源の状態空間モデルとして分類・定式化。
ETSModelで点予測+予測区間が出せ、AIC で加法/乗法・トレンド有無を選べる。一部の ETS は ARIMA と等価。 - STL(Loess分解):移動平均ベースの
seasonal_decomposeより外れ値にロバスト・季節が時間変化してよい・滑らかさを制御できる。STLForecastで STL+ARIMA の季節調整予測を予測区間つきで実行。 - 一貫して真の構造の復元・時間順ホールドアウト・季節素朴予測比の RMSE・予測区間のカバレッジで検証する。
関連章
- 第1章 時系列の基礎 — 分解・定常性・評価(第1章 時系列の基礎 目次、特に 時系列データと分解)
- 第2章 ARIMA系モデル — 別系統の予測・STLの残差に当てるモデル(第2章 ARIMA系モデル 目次)
- 第4章 状態空間とカルマン — ETSの状態空間表現の一般化(状態空間モデルの枠組み)