🎓 第6章:マルコフ連鎖モンテカルロ
第6章 マルコフ連鎖モンテカルロ
逆関数法・棄却法(第2章 乱数生成 目次)は「直接サンプルできる分布」が前提でした。しかし高次元・規格化定数が未知の分布(ベイズの事後分布が典型)からは直接引けません。そこで目的分布を定常分布に持つマルコフ連鎖を設計し、その連鎖を歩かせて得た状態列をサンプルとみなすのが MCMC です。本章では、なぜ連鎖が目的分布に収束するのか(定常分布・詳細釣り合い)、どう連鎖を作るか(メトロポリス・ギブス)、収束したとどう判断するか(診断)を扱います。MCMC の推論応用(事後分布の要約・予測)はベイズ統計の本拠なので、ここはサンプリング技法そのものと数値挙動に集中し、ベイズへ wikilink します。
トピック一覧
- マルコフ連鎖と定常分布 — 標準
- メトロポリス・ヘイスティングス法 — 発展
- ギブスサンプリング — 発展
- 収束診断と実装の注意 — 標準
この章の要点
- 定常分布:遷移を繰り返しても変わらない分布。既約・非周期な連鎖は唯一の定常分布へ収束する。
- メトロポリス・ヘイスティングス:提案と受理確率 で詳細釣り合いを満たし、 を定常分布にする。規格化定数が不要。
- ギブス:各変数を条件付き分布から順に更新。受理率100%の特殊ケース。
- 収束診断:trace・自己相関・R-hat(Gelman–Rubin)・有効標本サイズ(ESS)。バーンイン除去と複数連鎖が基本。
関連章
- ベイズ:なぜサンプリングか・メトロポリスヘイスティングス・ギブスサンプリング・収束診断(推論応用の本拠)
- 第2章 棄却法(受理・棄却サンプリング) — 直接サンプリングの限界(MCMC の動機)
- 統計:確率過程・マルコフ連鎖の理論