🎓 第6章:サプライチェーン
第6章 サプライチェーン
第1〜5章で、1つの拠点の中のフロー・在庫・能力・計画を数理で設計してきました。本章は視野を広げ、「拠点と拠点のつながり方」=サプライチェーン(SC)全体を設計します。鍵になるのは、SC のほぼすべての判断を貫く1本の対立軸——効率(コストを下げる)と応答性(速く・欠品なく届ける)のトレードオフです。まずSC の構造を押さえ、総コストを輸送+在庫(サイクル ・安全在庫 ・輸送中 )+施設に分解し、リードタイム が安全在庫に で効くこと(安全在庫と発注点)を使って、需要のばらつき が大きいほど速い輸送が有利になる輸送モード選択と、効率-応答性フロンティア(パレート最適)を numpy/matplotlib で示します。次に、需要のばらつきが上流ほど増幅するブルウィップ効果を、order-up-to(定量発注と定期発注)と移動平均予測から導き、増幅率 (Chen ら)がシミュレーションに一致すること・4段で複利的に膨らむことを実証します。最後に在庫集約のリスクプーリングを分散の加法から導き、独立 拠点の総安全在庫が集約で に減ること・相関で効果が消えることをモンテカルロで裏取りします。これは第4章のM/M/c 待ち行列と窓口設計のプーリング効果と同一原理——ばらつきは束ねるほど相対的に小さくなる、です。
トピック一覧
- サプライチェーンの構造とトレードオフ — 標準(SC=供給者→製造→流通→小売→顧客/中心は効率 vs 応答性・製品適合〔機能的=効率/革新的=応答性、Fisher〕・在庫3種〔サイクル ・安全 ・輸送中 〕・プッシュ/プル・総コスト=輸送+在庫+施設/輸送モード選択は航空〔短 ・高コスト〕vs 海上〔長 ・低コスト〕で安全在庫が分け、 大ほど航空有利=損益分岐 /効率-応答性フロンティアは8案中5案がパレート最適・3案が支配される)
- ブルウィップ効果 — 標準(需要のばらつきが上流ほど増幅/分散比 ・order-up-to+移動平均 から を導き iid で増幅率 〔Chen ら〕・単段シミュが式に小数3位まで一致〔 長・ 短ほど増幅大〕・4段直列で複利増幅〔小売2.92→卸10.4→流通41.0→製造172、小売は iid 公式2.92に一致〕・4原因〔需要シグナル処理・発注バッチ化・価格変動・品薄水増し〕と緩和〔POS共有・リード短縮・小ロット・EDLP〕)
- 在庫集約とリスクプーリング — 標準(集約で総安全在庫が減る/独立 拠点で合計需要 =分散の加法・節約率 /MC で合計分散 ・ で節約0.333〔〕・削減67%/相関 込み ・節約 で 最大・ 効果ゼロ・待ち行列プーリング〔04-03〕と同一原理・効くのは安全在庫でサイクル在庫でない・集約は応答時間/輸送費とトレードオフ)
関連章
- 第2章 需要予測(需要予測の枠組みと移動平均 の移動平均と遅れ=ブルウィップの予測過剰反応の素/需要のばらつき がリスクプーリング・安全在庫の入力)
- 第3章 在庫管理(安全在庫と発注点 の ・分散の加法が本章の核/定量発注と定期発注 の order-up-to がブルウィップの補充方策/経済的発注量EOQ のサイクル在庫=発注バッチ化)
- 第4章 待ち行列理論(M/M/c 待ち行列と窓口設計 のプーリング効果=リスクプーリングと同一原理。ばらつきを束ねると相対的に小さくなる)
- 第5章 生産計画とスケジューリング(ブルウィップの暴れた発注が能力 ボトルネックとキャパシティ を振り回す。集約計画は需要の平準化で変動を吸収)
- 運営管理の物流・SCM 概論(在庫拠点配置・輸送・調達)は 中小企業診断士テキスト も参照