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🎓 レベル:標準 | 重要度:B(推奨) 📎 土台:定常性と自己相関(時系列・自己相関)・ARMA・ARIMAモデル(時系列)

要点(BLUF)

1. 問題:時間方向の相関で標準誤差が狂う

誤差が AR(1) のように ut=ρut1+εtu_t=\rho u_{t-1}+\varepsilon_t で持続すると、隣り合う観測が「似た情報」を持つため、実効的なサンプルサイズが見かけより小さい。にもかかわらず通常の標準誤差はサンプルを独立とみなすので、標準誤差を過小評価し、tt値が大きく出て偽の有意を生みます。

検出には残差の自己相関(定常性と自己相関)を見るか、Durbin–Watson 統計量・Breusch–Godfrey 検定を使います。ただし不均一分散と同様、最初からHACで推論するのが安全です。

2. 処方箋A:HAC(Newey–West)標準誤差

不均一分散・自己相関の両方に頑健な標準誤差が HAC(Heteroskedasticity and Autocorrelation Consistent)、実装名で Newey–West。サンドイッチの「具」を、ラグ方向の自己共分散まで含めて推定します(cov_type="HAC", maxlags=L)。ラグ長 LL は系列の持続性に応じて選び(L4(T/100)2/9L\approx 4(T/100)^{2/9} が目安)、係数はOLSのままで tt値・信頼区間だけが正しくなります。

flowchart LR
    A["時系列回帰の残差 û_t(自己相関あり)"] --> B["処方A: HAC(Newey–West) で標準誤差を直す"]
    A --> C["処方B: 誤差をARと仮定しGLS/FGLSで効率回復"]
    B --> D["係数そのまま・推論が正しく"]
    C --> E["効率↑ だが誤差構造の誤指定に弱い"]

3. 処方箋B:GLS/FGLS で効率を取り戻す

誤差の相関構造(例:AR(1))を仮定できるなら、**一般化最小二乗(GLS)**で「相関を白色化する変換」をかけてから最小二乗します。ρ\rho が未知なら残差から推定して使う 実行可能GLS(FGLS)(Cochrane–Orcutt・Prais–Winsten)。HACより効率は高いものの、誤差構造を間違えると逆に悪化します。

なお、系列相関は「見せかけの回帰」(ランダムウォークと単位根)と混同しがちですが別物です。系列相関は定常な誤差の相関で標準誤差の問題、見せかけの回帰は**非定常(単位根)**による係数自体の虚構——後者は第5章で扱います。まず系列が定常かを確認するのが順序です。

⚠️ よくある誤解・落とし穴

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