🎓 第5章:リスク測度とリスク管理
第5章 リスク測度とリスク管理
第2章では効用の凹凸でリスクを扱いました。この章は別の角度——リスクそのものを1つの数値に要約する測度を体系化します。実務(金融規制・リスク管理)で標準的に使われる道具立てです。
まず素朴な分散と、損失だけに注目する下方リスクの違いを押さえ、損失の分位点であるVaR(バリュー・アット・リスク) を導入します。VaRは直感的ですが、裾の厚みを無視し、分散投資を罰することがある——その弱点を補うのがCVaR(期待ショートフォール) です。最後に「良いリスク測度とは何か」を整合的リスク測度の4公理として定式化し、VaRが劣加法性を破る一方CVaRが4公理を満たすことを数値で示します。CVaR最小化の最適化手法そのものは数理最適化のturfで、ここでは測度の意思決定的な意味に集中します。
トピック一覧
- リスクの測り方(分散・下方リスク) — 基礎:分散・標準偏差と下方リスク(半分散・下方偏差)
- VaR(バリュー・アット・リスク) — 標準:損失の分位点としてのリスク量
- CVaR(期待ショートフォール) — 発展:裾の平均・整合性・凸性
- 整合的リスク測度の公理 — 発展:単調性・劣加法性・正斉次性・移動不変性
関連章
- 第2章 — リスク選好と効用の凹凸:効用によるリスクの扱いとの対比
- 第4章 — 多目的問題とパレート最適:リスク・リターンの効率的フロンティア
- 金融工学:VaR・ポートフォリオのリスク管理と相互リンク
- 数理最適化:CVaR最小化(Rockafellar–Uryasev)の最適化手法へリンク
- 意思決定分析・リスク分析 全体目次