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この章のねらい

内生性(内生性とは(バイアスの源の地図))でOLSが偏るとき、どうやって一致推定を取り戻すか。答えが操作変数(IV)——「結果には説明変数を通してしか効かない外生的な変動」を借りてきて、内生変数の外生部分だけを取り出す方法です。本章は計量経済学のもっとも固有な核心。

因果推論のIV(操作変数法と2SLS)が「識別の論理(LATE・除外制約)」を与え、ここでは推定の実装と経済学的な操作変数の探し方を扱います。

トピック一覧

  1. 操作変数の考え方 操作変数が満たすべき3条件——関連性・外生性(除外制約)・独立性。なぜこの3つで内生性を外せるのかを、因果のIVへ接続して直観で掴む。

  2. 操作変数法と2SLS 2段階最小二乗(2SLS)の手順と、弱操作変数の害。擬似データで「内生性でOLSが偏る→IVで直る」を実証し、第1段F統計量の役割を確認する。

  3. 同時方程式モデル 需要と供給のように複数の式が同時に変数を決める世界。識別問題(次数条件・階数条件)と、外生変数を操作変数に使う考え方を整理する。

操作変数の3条件(早見表)

条件内容破れると
関連性操作変数 z が内生変数 x に効く弱操作変数・推定が不安定
除外制約z は y に x を通してのみ効く推定が偏る(検証困難)
独立性z が交絡と無相関(あたかもランダム)推定が偏る

前後のつながり