🎓 第5章:離散事象シミュレーション
第5章 離散事象シミュレーション
ここまでは「積分・期待値を乱数で推定する」静的なモンテカルロでした。本章は時間とともに状態が変わる系を扱います。待ち行列・在庫・窓口のように、状態が離散的なイベント(到着・退出・補充)で飛び飛びに変化する系は、何も起きない時間を飛ばして「次の事象」へクロックをジャンプさせる離散事象シミュレーション(DES)で効率的に再現できます。待ち行列の理論(M/M/1 の公式など)はオペレーションズの領分なので、ここは実装と数値挙動に集中し、理論値との照合で正しさを確かめます。
トピック一覧
- 離散事象シミュレーションとは — 基礎
- 待ち行列のシミュレーション — 標準
- 在庫・窓口のモデル化 — 標準
- 出力解析(過渡・定常・複製) — 発展
この章の要点
- イベント駆動:未来事象リスト(FEL)に次の事象を入れ、クロックを次の事象時刻へ飛ばす。固定刻みより効率的。
- 待ち行列シミュ:到着・サービスを指数分布で生成し、平均待ち時間・行列長を実測。M/M/1 の理論値と一致を確認。
- 在庫モデル:(s,S) 方策+リードタイムで、発注点を上げるほど在庫保有が増え欠品が減るトレードオフを実証。
- 出力解析:空状態スタートの過渡(warm-up)は定常値を過小評価する。ウォームアップ除去と複製による信頼区間で正しく評価。
関連章
- オペレーションズ:待ち行列の基礎とリトルの法則・M/M/1 待ち行列モデル・M/M/c 待ち行列と窓口設計(理論)
- オペレーションズ:安全在庫と発注点・定量発注と定期発注(在庫理論)
- 第1章 モデル化の流れ(系・状態・入力・出力) — 系・状態・入力・出力の枠組み
- 第9章 シミュレーション最適化 — DES を目的関数にした最適化